これがダンカンさんの言っていた水素スピンによるブレインマッピングか?

 
 
神経線維の活動をとらえる革新的 MRI 計測法の可能性
現在の fMRI は神経活動によって引き起こされる脳血流変化を信号源としているため、脳血流変化が起きる神経の細胞体(脳の灰白質)の活動は検出できるが、神経の線維(脳の白質)の活動は検出できない。そこで従来の MRI が計算する水素原子核スピンの「位相」情報ではなく、「位相勾配」情報を計算してみたところ、神経線維の活動(電位変化)を反映すると思われる信号の検出に成功した(Human Brain Mapping 第18回年会発表、平成24年6月)(PGC法)。左右手の各指を交互の順番でタッピングするとき、脳梁(左右大脳半球をむすぶ神経線維束)を通じた左右の情報交換が必要であるが、PGC 法により、予想される脳梁の神経線維束の活動信号が検出された)。この研究は、神経線維連絡の活動を可視化する手法として、また、脳内情報連絡の研究の革新的手法として、第3期中期においても更なる研究が進められている。
d) 神経集団の同期的活動と脳波発生の関係脳機能発現を理解するためには、脳部位や活動時間帯の解明のみならず、神経活動ダイナミクスの「様式」の解明が必要であり、特に神経活動の振動や同期が重要なテーマである。そこで、多数の神経集団の同期的活動と脳波の発生との関係をモデル化により定量的に解析した
Physical Review E 誌掲載、平成22年7月)。
このようなモデル研究は、神経集団の協力的振舞いとマクロな機能発現の関係を研究する基礎となるものである。