筋力もスピードもアップ!? 注目のちょこっと電流

https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4262/

3年前、エミリーさんは、ベンチプレスという種目で125kgを持ち上げ、世界記録を樹立。いまだ、その記録は破られていません。エミリーさんが今、トレーニングで手放せないのが、こちら。微弱な電気で脳を刺激する、ヘッドホン型の装置です。頭に接する側、イボイボの部分から電気が流れます

脳に電気刺激を与えることで、トレーニング効果が高まるというのです。

取材班
「どんな感じですか?」

パワーリフティング選手 エミリー・フーさん
「頭皮が少しピリピリするだけです。」

エミリーさん、2年ほど前から練習にこの装置を導入。すると、何年もの間、伸び悩んでいたスクワットの記録が30kgも向上したといいます。

パワーリフティング選手 エミリー・フーさん
「スクワットの限界は132キロでした。電気刺激で163キロまで上がりました。ベンチプレスの世界記録も必ず更新します。」

劇的に記録が伸びたのは、本当に電気刺激装置を使ったおかげなのか。装置を開発した、ダニエル・チャオさんです。

 

 

スタンフォード大学などで脳科学を研究してきました。電気刺激が、脳の「運動野」と呼ばれる場所を活性化することが、記録向上の秘密だといいます。

ヘイローニューロサイエンス社 ダニエル・チャオCEO
「運動野は運動の学習にとって重要な役割を果たします。だから私たちは、脳の運動野を(電気刺激の)標的にしたのです。」

体を動かす時、脳の運動野から出された電気信号が筋肉を動かします。しかし、疲労すると、その信号が弱まり、筋肉が十分に動かなくなります。そこで、運動野に電流を流し、細胞を活性化。その結果、電気信号が強まり、筋肉の動きが持続するというのです。20分間の電気刺激のあと、装置を外しても、1時間ほど脳は活性化したままだといいます。そのため、ハードな練習をより長く続けられるようになり、トレーニング効果が高まるのです。スキージャンプの選手がこの装置を使って3週間トレーニングした結果、ジャンプの力強さが30%近く上昇。アメリカンフットボールの選手は、4週間で垂直跳びの記録が20cmも伸びたといいます

 

 

ヘイローニューロサイエンス社 ダニエル・チャオCEO
「今は一部のアスリートが電気刺激をトレーニングに取り入れていますが、将来的には、電気刺激トレーニングはアスリートにとって一般的になるでしょう。」